独自CMS、本当に大丈夫?~過去の経験から学んだ「3つのリスク」~

「うちは独自CMSで、完全にオリジナル仕様です!」
「開発から全て自社で運営しています!」

といった営業トークです。確かに聞こえは良く技術力の高さをうたっているのですが、よく考えてみてください。
それ、本当に将来も使い続けられるでしょうか?

開発会社が倒産したり、担当者が辞めたり、技術が古くなったりしたら、
「すごいCMS」どころか「誰も直せないCMS」になってしまうことも珍しくありません。

ホームページ制作をご検討中の方から「WordPressは危ない 独自CMSは安心で高性能だと言われた」というご相談をよくいただきます。

確かに、オリジナル設計のCMSは見た目も操作も自由度が高く、「自社専用の管理画面が持てる!」という魅力があります。しかし、私は過去の経験から「ちょっと待ってください」とお伝えすることが多いのです。

なぜか?その理由は、大きく分けて以下の3つのリスクにあります。


1. アップデート停止のリスク

開発元が事業終了や開発停止になった場合、

  • セキュリティの脆弱性
  • サーバーやブラウザとの非互換
    などの問題が発生しても、もう誰も対応してくれません。

2. 拡張性の制限

WordPressのように豊富なプラグインやテーマが用意されているわけではないため、
「SNSと連携したい」「予約機能を追加したい」と思っても、すぐに対応できないことが多いです。
下手をすれば、高額なカスタム開発費がかかってしまうことも……。


3. 引き継ぎが難しい

独自CMSは、その会社でしか扱えない仕様になっている場合が多く、
万が一「他の業者に更新をお願いしたい」となっても、
対応できる会社が見つからない、ということがよくあります。

特に仕様書が残っていないと、**「ホームページごと作り直し」**なんてケースも。


実は弊社も、独自CMSで痛い目を見ました。

15年ほど前、弊社でも独自CMSを使ったビジネスブログサービスを提供していたことがあります。
当時はまだWordPressが普及していなかった時代。
「自社で全部管理できる!」と、自信を持って提供していました。

ところが数年後、開発していた企業が開発を終了。
その瞬間、アップデートは止まり、サポートもなくなり、
WEBやデバイスの対策、仕様変更にも対応できず、完全に「使い捨て」状態になってしまいました。

せっかく育てたブログやコンテンツが、**スマホ対応もできず暗号化の対応しない、将来性のないCMSになってしまったんです。

技術は進化しますが、独自CMSは“進化が止まる”リスクを抱えています。


どうすればいいの?

基本的には、WordPressなどの一般的なCMSの使用をおすすめします。
利用者が多く、情報も豊富で、引き継ぎや保守もしやすいためです。

もしどうしても独自CMSを使う場合は、以下のような確認を忘れずに:

  • アップデートやサポートが継続される保証はあるか?
  • 終了時にデータ移行できる仕組みがあるか?
  • 管理画面は社内スタッフでも使えるか?
  • 仕様書やマニュアルは提供されるか?

ホームページは「作って終わり」ではなく、育てていく資産です。
その資産を、将来もきちんと守れるCMSを選びましょう。