ホームページ制作会社はAIをどう使っている?制作現場で実感するAI活用の現実

「AIを使えばホームページが30分で完成!」
最近、SNSやインターネット広告で、このような宣伝をよく見かけるようになりました。
確かに、生成AIの進化は目覚ましく、簡単なホームページであれば、短時間で見た目の整ったものを作成できる時代になっています。
しかし、私たちのように日々ホームページ制作を行っている立場からすると、「30分で作成できること」と「実際に事業で使えるホームページが完成すること」は、まったく別の話だと感じています。
では、ホームページ制作会社はAIを使っていないのでしょうか?
実際はその逆です。
弊社でもAIを積極的に活用しており、以前と比較して制作にかかる時間が大幅に短縮されています。
今回は、ホームページ制作会社が実際にどのような場面でAIを使っているのか、弊社の制作現場を例にご紹介します。
AIでホームページが30分で完成するのは本当?
結論から言えば、条件によっては可能です。
例えば、HTMLやCSSなどで構成された数ページ程度のシンプルなホームページであれば、AIに指示することで短時間で制作することができます。
ただし、そこで完成するのは、あくまでもホームページの形です。
実際にインターネット上で公開し、事業用として運営するには、さまざまな作業が必要になります。
- ドメインの取得と設定
- レンタルサーバーの契約と設定
- サーバーへのファイル転送や公開作業
- スマートフォンでの表示確認
- お問い合わせフォームの設定
- セキュリティ対策
- SEOや検索エンジンへの対応
- 公開後の修正や更新、保守管理
現在は公開作業まで自動化できるAIサービスもありますが、独自ドメインの設定や運用管理、トラブルへの対応などは別に考える必要があります。
また、弊社が主に採用しているWordPressのようなCMS(コンテンツ管理システム)では、さらに事情が異なります。
WordPressは、専門知識がなくてもお客様自身でお知らせやブログを更新できることが大きなメリットです。
しかし、テーマやプラグイン、ブロックエディター、サーバー環境など、さまざまな仕組みが組み合わさっています。
AIによるWordPressサイトの構築も進化していますが、希望するデザインを正確に再現し、更新しやすく、長期間安定して運用できる状態まで仕上げるには、まだ人間による確認や調整が重要です。
ホームページは作って終わりではありません。公開してからが本当のスタートです。
この部分は、AIで短時間にホームページを作成するという宣伝では、あまり説明されていないように感じます。
では、ホームページ制作会社はAIを何に使っているのか?
弊社では、AIにホームページ制作のすべてを任せているわけではありません。
むしろ、これまで人間が多くの時間を費やしていた作業をAIに手伝ってもらうことで、制作全体の効率を高めています。
具体的な活用方法をご紹介します。
1.お客様からいただいた大量の資料を整理・分析する
これは、弊社がAIを導入して特に効果を実感している作業です。
ホームページ制作を依頼されるお客様からは、会社案内、パンフレット、商品資料、写真、既存のホームページなど、さまざまな資料をいただきます。
資料が非常に多い場合もあれば、情報が整理されていなかったり、同じ内容が複数の資料に記載されていたりすることもあります。
これはホームページ制作ではよくあることです。
以前は、それらの資料に一つひとつ目を通し、内容を理解し、必要な情報を抜き出してからホームページの構成を考えていました。
この作業には、かなりの時間がかかります。
現在は、いただいた資料をAIに読み込ませ、内容を要約したり、項目別に整理したりしています。
例えば、
- 会社の特徴や強みを整理する
- 商品やサービスの情報を分類する
- 重複している説明をまとめる
- ホームページに必要な情報を抽出する
- 不足している情報や確認事項を洗い出す
といった作業です。
AIは大量の文章を短時間で処理し、情報を整理することが得意です。
もちろん、AIが読み間違えたり、重要な情報を見落としたりする可能性もあるため、最終的には元の資料と照らし合わせて確認します。
それでも、資料を最初からすべて人間だけで整理していた頃と比べると、作業時間は大幅に短縮されています。
AIの大きなメリットは、単に文章を作成することではなく、大量の情報を短時間で整理できることだと感じています。
2.デザインの方向性を決めるためのラフ案を作成する
ホームページ制作で、非常に重要なのが最初のデザインの方向性です。
お客様からは、
「高級感のあるホームページにしたい」
「明るく親しみやすい雰囲気にしたい」
「シンプルでおしゃれなデザインがいい」
といったご希望をいただきます。
しかし、「高級感」や「おしゃれ」という言葉から想像するデザインは、人によって異なります。
制作会社が考えるデザインと、お客様が思い描いているイメージが一致しているとは限りません。
もし、方向性が違ったまま制作を進めてしまうと、途中で大幅な修正や作り直しが必要になることもあります。
そこで弊社では、AIを使ってデザインのサンプルやラフ案を作成し、お客様に確認していただくことがあります。
実際に画像として見ていただくことで、言葉だけでは伝わりにくいイメージを共有しやすくなります。
色合い、写真の雰囲気、レイアウト、文字の配置などを確認しながら、デザインの方向性を決めていきます。
以前は、このラフデザインを作成するだけでも相応の時間が必要でした。
現在はAIを活用することで、短時間で複数のイメージを比較できるようになっています。
ただし、AIが作成したラフデザインを、そのままホームページとして使用するわけではありません。
AIでイメージを共有し、実際のホームページは制作会社が構築する。
この使い分けが非常に効果的だと感じています。
3.どうしても用意できない写真や画像素材を作成する
ホームページ制作では、写真や画像素材がとても重要です。
お客様から写真をいただくこともありますが、必要な写真がすべてそろっているとは限りません。
また、一般的な写真素材サイトで探しても、イメージに合うものが見つからない場合があります。
以前は、素材探しに長い時間を費やすこともありました。
現在は、AIを使って必要なイメージ画像を作成できるようになっています。
例えば、サービス内容をイメージで伝える写真、特定の構図が必要な写真、説明用のイラスト、背景画像などです。
さらに、写真の不要な背景を取り除いたり、画像の一部を修正したりする作業にもAIを活用できます。
ただし、実在する店舗や商品、施工実績などについては注意が必要です。
AIで作成した画像を実際の店舗写真や施工事例のように見せることは、誤解につながる可能性があります。
弊社でも、実物を正確に伝える必要がある写真と、イメージを表現するための画像は区別して使用しています。
AIは非常に便利な画像制作ツールですが、何でもAI画像に置き換えればよいというものではありません。
4.ホームページの文章作成や添削に活用する
ホームページがある程度完成した段階でも、AIは役立ちます。
例えば、文章がわかりにくくないか、説明が不足していないか、同じ内容を繰り返していないか、といった確認です。
また、専門的な説明を一般のお客様にも理解しやすい文章に修正したり、よくある質問と回答を整理したりすることにも活用しています。
検索エンジンだけでなく、AI検索でも内容を理解してもらいやすいよう、情報を具体的かつ明確に整理することも重要になっています。
ただし、AIが作成した文章をそのまま掲載することは避けています。
AIは自然な文章を作ることができますが、事実と異なる内容や、実際には提供していないサービスを含めてしまう場合もあるからです。
特に、会社の実績、料金、サービス内容、医療などの専門的な情報は、正確性が欠かせません。
最終的な確認は必ず人間が行います。
5.制作中の技術的な問題解決にも活用する
ホームページ制作では、デザインや文章以外にも、さまざまな技術的な問題が発生します。
例えば、WordPressでスマートフォンだけ表示が崩れる、CSSが思ったように反映されない、お問い合わせフォームの動作がおかしい、といった問題です。
以前は、公式マニュアルや技術情報を調べながら原因を探していました。
現在はAIに状況やコードを伝えることで、原因の候補や修正方法を短時間で整理できるようになりました。
もちろん、AIの提案が必ず正しいとは限りません。
特にWordPressはテーマやプラグインの組み合わせによって動作が異なるため、実際の環境で検証する必要があります。
それでも、問題解決までの時間を短縮できる場面は増えています。
AIの活用で制作時間は半分以下になることも
弊社では、資料整理、デザインの方向性確認、画像素材の制作、文章の添削、技術的な問題解決など、制作工程のさまざまな場面でAIを活用しています。
その結果、案件によっては、以前と比較して制作にかかる時間が半分以下になることもあります。
ただし、すべてのホームページが半分の時間で完成するわけではありません。
お客様との打ち合わせや、実際のWordPressでの構築、表示確認、公開前の最終チェックなど、人間が行う必要のある作業は数多く残っています。
AIによって短縮できた時間を、デザインの完成度や内容の充実、お客様との確認作業に充てられることも大きなメリットです。
つまり、AIは単なる時間短縮の道具ではなく、ホームページの品質を高めるための道具にもなっているのです。
半年前には難しかったことが、今では簡単にできる
実際にAIを使い続けていると、その進化の速さには驚かされます。
半年前には思うような結果が得られなかった画像制作や文章整理が、現在では比較的簡単にできるようになっていることもあります。
以前は何度も指示を出して修正していた作業が、少ないやり取りで完成することも増えました。
この進化が今後も続けば、ホームページ制作の方法そのものがさらに変わっていく可能性があります。
将来的には、WordPressなどのCMSを使ったホームページ制作でも、AIによる自動化がさらに進むでしょう。
だからこそ、制作会社もこれまでの方法に固執するのではなく、新しい技術を理解し、適切に取り入れていく必要があると考えています。
AIが進化しても、ホームページ制作会社の役割はなくならない
AIを使えば、ホームページの見た目を作ることは以前より簡単になりました。
しかし、ホームページ制作で本当に重要なのは、見た目だけではありません。
その会社がどのような事業を行い、どのようなお客様に利用してほしいのか。
何を強みとして伝え、ホームページを通じてどのような成果を目指すのか。
こうしたことを理解したうえで、必要な情報を整理し、伝わる形にすることが大切です。
また、公開後にお客様自身で更新できること、トラブルが起きた際に対応できること、長く安心して運営できることも欠かせません。
AIは、こうした仕事を支援する非常に優秀なツールです。
しかし、事業者の思いや目的を理解し、最終的な判断と責任を持つことは、今も制作会社の重要な役割だと考えています。
まとめ|AIでホームページを作るのではなく、AIと一緒に良いホームページを作る
「AIで30分でホームページが完成する」
そんな時代が近づいていることは確かです。
しかし、実際に事業で活用でき、長く運営していけるホームページを作るには、まだ多くの知識と経験が必要です。
弊社では、AIにすべてを任せるのではなく、AIが得意な作業を積極的に活用し、人間が判断すべき部分に時間をかける制作方法を取り入れています。
AIに任せられる仕事はAIに。お客様の事業を理解し、考え、判断する仕事は人間が。
これが、現在の弊社のホームページ制作に対する考え方です。
これからも進化するAIを積極的に取り入れながら、お客様にとって使いやすく、事業に役立つホームページ制作を続けていきたいと考えています。
株式会社Areaでは、WordPressを活用したホームページ制作から、公開後の維持管理・運営サポートまで対応しています。
ホームページの新規制作やリニューアルをご検討の方は、お気軽にご相談ください。
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